言霊の華 第534号

言霊の華 第五三四号

『地域共同体こそ日本の底力 ~睦み合い・分かち合い・支え合い~』                  

 

時々町内から回覧板が回ってきます。たいして目を通さず家内(今では時々家外)に渡します。家のことや地域の動静はからっきし駄目で妻に任せっ切りなので、ゴミ出しの曜日すら知らない有り様だから困ったものです。

明後日(あさって)を向いて仕事をしている私ですから、今日のこと明日のことを心配している妻にとってはおめでたい男に映っているようです。妻がいるお蔭で辛うじて杉並区久我山の地域共同体の一員に納まっているようなもので、妻が居なければ糸が切れた凧のように何処に行ってしまうのか分らないのが私です。妻や子が居る家があるから帰れるのです。

女性は太古の昔より家を守る一家の中心で、地域に根を下ろし共同体を支えて来ました。昔は井戸端会議などと言って情報交換が盛んに行われ、各家の情況が一目瞭然でした。子どもの出産、入学、卒業、夫婦仲、夫の仕事、昇進、経済状況、病人の様子、冠婚葬祭、転居等々。

我が事のように喜び悲しみ、その共同体意識は情報を共有することで成り立っていたのです。それは女性の存在力であり母性の力でもありました。助け合い、睦み、羽育(はぐく)み、繋がることによって生活も社会も回っていたのです。

この日本共同体は歴史が古く、国家や国力の底力でもありました。日本は家族共同体、地域共同体、社会共同体に支えられ、分かち合いの精神がどこの国よりも強かったのです。子どももお年寄りも共同体が育て、面倒を見て来たのです。

それは強い絆、即ち「繋がり」の力でした。引きこもりも孤独死も虐待死もありません。共同体の皆で支え合って生きてきました。これが国力の底力だったのです。現在(いま)日本人はバラバラです。支え合い、分かち合い、助け合うことが無くなってしまい、個人の要求と主張、個人の利益のみに奔(はし)り始めたのです。

「得る」ことばかりを考え、社会のこと国家のことは忘却しています。連日のように報じられる年金問題。もううんざりします。足りないことばかり言って、得ることばかりを考える、現代日本の風潮が見事に現われています。

勿論大切な問題であることは理解しています。しかし外国に目を向けると多くの国の人々が年金すら貰えていないのですから、日本は本当におめでたい国です。私などは老後の心配よりも死後の事を心配せよと言いたくなります。葬式代の事ではありません。「魂」のことです。「今生でどれくらい輝ける魂を啓(ひら)いたのか」と云うことです。

唯一あの世に持っていけるもの、それは魂です。輝ける魂を持ってあの世に行けるのか、それともどんより暗い魂であの世に行くのかが今生で問われている最大のテーマなはず。「生活の勝利者」を目指すのは結構なことですが、その為にも「人生の勝利者」を目指すのが先決です。

「魂」に生き始めると神さまに養われます。「惠み」とは循(めぐ・環)って来る霊魂(みたま)のことを云うのです。魂の願いに生きる。そうすると神さまから養われます。即ち導かれる人生となるのです。年金問題で心配している場合ではないのです。

合掌 かむながらありがとうございます  

 

菅家 一比古

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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