言霊の華 第540号

言霊の華 第五四〇号

 

『鎮魂システムの崩壊が招く社会と国家の危機』

 

日本人の劣化現象が加速しています。

「自分さえ良ければいい、現在(いま)さえ良ければいい」この風潮は先人たちの苦労や未来を生きる子どもらに対する責任の無さから来るものです。先人たちが大切に守って来たものは叡智の結集であり、宝庫であり、未来を生きる者にとって、光の道標(みちしるべ)となるのです。

先人たちが苦労して築いてきたものには血と涙と汗が注がれており、魂が入っており、生命(いのち)を帯びているのです。これを尊重し、受け継ぐことにより、私たちは生命を頂き、それを繋ぎ、光を放つことができます。

劣化するとは輝きが失せるということ。無慈悲で残忍な事件が相次ぐ背景について前回述べました。今回は更に違う角度から話したいと思います。

日本の伝統的生活文化には「型」があります。外から帰ってきたら靴を揃える、手を洗う、お風呂(禊の一つ)に入る、布団の上げ下ろし、寝巻に着替える。食事の時の合掌、母(妻)の手間暇かけた料理。神棚、仏壇の祈りとお世話。

玄関、庭の掃除、トイレの掃除、物を大切にする。地元の神社参拜と祭り。衣替え。和室(鎮魂の間)、家族の団欒、国旗の掲揚、挨拶、清潔、整理整頓、縦書の手紙等々。その全てが鎮魂作用を持っているのです。 

日本人だったら当り前の原風景だったものが大きく崩れて行ったのです。それによって鎮魂作用が働かなくなり、無鎮魂状態の日本人が増える結果となりました。即ち魂が浮遊したり、暴走したりするようになったのです。

一部の若者たちはハードロック音楽に酔いしれ熱狂します。サッカーやプロ野球の暴走した熱狂ファンも同じです。 

無鎮魂状態は髪型や髪の色、服装、言葉遣い、仕草、立ち居振る舞い、目の輝き、顔の表情などに顕著に現われます。興奮も悲観も心の病。鎮魂されている人は切れませんし、暴れたり暴言を吐いたりなどしません。お酒の席でも乱れたりなどしないでしょう。

女癖の悪い人、金遣いの荒い人、家がゴミだらけの人、冷蔵庫に物をいっぱい詰め込んで腐らせて捨てる人、目がうつろな人、落ち着きのない人、人の批判、悪口の多い人、セックス依存症・アルコール依存症・ギャンブル依存症の人、それらは無鎮魂の証しなのです。

荒御魂(あらみたま)を鎮めること。日本の生活文化は、鎮魂のための素晴らしいシステムが機能していたのです。それは先人たちの智恵が築き上げたものでした。それを戦後の日本人は軽んじ、忘却して行ったのです。かくして日本人は劣化の道を辿り、国力は衰える一方となりました。

それは霊性の危機とも言えるでしょう。何故我々は禊をするのか。それは鎮魂を通して勘・骨・肚を養い、霊性を向上することにより、人間の底力を発揮し、霊魂(みたま・神)の願いに生きるためなのです。

そうしなければ、決して日本の国力を上げることなどできないでしょう。

合掌 かむながらありがとうございます  

 

菅家 一比古

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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